◇ 2013年7月 いざ出発:ペンシルべニア大学で語学研修
はじめまして!
今月からリベラルアーツカレッジの留学体験記を書かせて頂く事になりました野村善文と申します!
簡単に自己紹介をさせて頂きますと…2歳から4歳の時にアメリカに住んでたので帰国子女ではありますが、英語の喋れない残念な帰国子女です(笑)中学受験をしまして、国学院久我山高校という中高一貫校に6年通い、高校2年の時に参加したプログラムでの人との出会いで留学を志すようになり、今年の9月からフィラデルフィアにあるHaverford Collegeというアメリカのリベラルアーツカレッジに進学します。留学中に学んだ事、感じた事を赤裸々に綴っていきますので、是非皆さんも楽しんで読んでもらえたら嬉しいです!今、参考にさせて頂こうと、佐久間さんのブログを覗いているのですが…この時期はまだ日本で東大にいらっしゃったんですね。本当に凄いです。かくいう僕は、アメリカ留学を決心したのが高校二年の夏。TOEFLってなんじゃい!から始めた出願だったので、日本の大学に併願する余裕など当然ながら無く、米国大学のみ出願しました。ちなみに合計で16校出しました(笑)それくらい受かる自信がなく、どっかにはひっかるだろうという不安で一杯でした。
<9月入学までをどう過ごすか?>
そんなこんなで受かったは良いけれども…一般的にアメリカの大学はセミスター制、日本で言う二期制にあたるカリキュラムを導入していて、多くが9月入学になります。高校の卒業式が3月…それまでの半年間何すんねん!という感じになります。これがいわゆる「ギャップターム」というやつですね。
東大の秋入学導入をきっかけに、このギャップタームという言葉を聞く機会が異常に増えた気がしますよね!僕の周りの留学仲間はどんな風に過ごしてるかというと…佐久間さんのように日本の大学に夏まで籍を置いて、学校でできる事をフル活用する人。日本の大学の授業に潜りまくる人。イベントの実行委員や学生団体に入ったり、ボランティアをしたり、旅行をしたり…使い方は様々で人それぞれといった感じです。 ただ共通して言えるのは、自分で動かないとなにも始まらないのがギャップタームなのかなと思います。例えば、普通に学校に所属していれば、授業があって、部活があって、バイトがあって…とやらなくては行けない事が自動的に降ってくるのですが、ギャップタームは必ずしもそうではなくて、自分自身やりたい事を掴んでいかないと時間だけが無為に過ぎて行く。自由であるのと同時に逆に有意義な時間を過ごすのもとても難しい。というのが正直な感想です。あとは学生ではなく高卒社会人扱いですので、映画が一般料金になるといういらない特典もついてきます☆←
<入学前語学研修@ペンシルバニア大学>
さてさて、僕の場合、留学語学面での不安がわんさかと溢れきっていましたので…「このままだと授業について行けなくて死んじゃうと思うんですけど留学生向けの英語の事前プログラムとかありませんか?」(学校によっては実際にそういうプログラムを提供している所がありますよ!) とHaverfordのスタッフの方に正直に相談した所、
「うちには無いけど近くのUniversity of Pennsylvania(ペンシルベニア大学)でESLがあるからそれ参加したら?」
との提案をいただきました。ESLとはEnglish as a Second Language の略で、ようは第二外国語として英語を学ぶ為の語学研修ですね。そういった流れで、6月の後半から8月の中旬にかけて、約6週間の語学研修をアメリカのペンシルバニア大学で取る事となりました。学校近いってだけで薦めるって適当か!って思うかもしれませんが、実はハバフォード大学にはconsortium(日本語だとコンソーシアム)という他大学との提携システムがありまして、他大学の授業を自由に取ることができ、ペンシルバニア大学もその一つなのです。他にはSwarthmore College, Bryn Mawr Collegeの二校と提携をしていて、月曜日の朝にHaverfordで授業を受けた後に午後はSwarthmoreにいくぞ!みたいなのもオッケーで、なんとご飯も別キャンパスで食べれてしまう!当たり前ですけど単位は認められますし、とっても魅力的ですね!
<到着:いきなりこわーい体験>
そういう事情で少し早めではありますが、6月末に成田空港を出発しまして、13時間程度のフライトでNYに無事到着し、なんのトラブルもなくフィラデルフィアにある寮にとうちゃ……といきたい所なのですが世の中そう上手くいきません。NYからフィラデルフィアまではAmtrakという日本で言う新幹線のような特急列車に乗車予定だったのですが、駅の掲示板にdelay(遅延)の文字が光ったまま動かなくなり…結局待たされる事1時間30分(笑)ようやく電車が到着。(これくらいの遅延は珍しくないそうですので驚きです)
目的地の駅には一度同じ方法で行った事があったのでこれでもう一安心なんて思いながら、椅子に座ってほっと一息ついていると長時間のフライトと待ち時間もたたり、だんだんと眠たくなっ……zzzz……はっ!あいかんいかん!寝落ちしてしまった!降りねば!…プシュー。…危ない危ない。うっかり乗り過ごす所だったぜ。さてと行くか!……あれ?
…なんとなんとなんと知らない国で降りる駅を間違えました。少し焦りながら、なんとかなるだろとか思いつつとりあえず改札を探し移動するも見つからず、ガラスというガラスは全部割られ、破片がそこら中に散らばってるわけです。壁という壁は赤色のスプレーで書かれた落書きで埋め尽くされていて、蛍光灯は切れかけていてチカチカなってるわけです。ちなみに夜の10時くらいなので当たりは真っ暗です。怖いなんてもんじゃないです。本当に泣きそうでした。
なんとか通りかかった人に目的の駅に行く方法はないかと聞くと、バスがあるから乗れといわれ、運転手に方向を確認すると、「それ、違うバスだよ」と一蹴され、乗ってしまった物は仕方ないと終点まで行ってタクシーを取る事にしました。降りる時にバスの料金の2ドルを出すようにいわれ、基本的にアメリカのバスはおつりはおつりはなくぴったし出すのがルールなんですが、財布を開けるとなんと50ドル札しかない!もうこの辺りで半べそパニック状態で、”Keep charge.”(48ドル、約5000円のおつりいらないです←)という訳分からない事を震え声でいいながらお金を出すと、呆れ顔で「金いらないから早くおりろ!!」と怒鳴られ、そのまま逃げ込むようにしてタクシーを拾ってなんとか無事に寮に到着しました。はい。「無事」到着ですね笑
後日談ですが、学校のセキュリティー担当にその話をすると、「そこは現地の人でも夜は一人で歩かない危険な場所だから無事についてよかったなぁ!うわっはは!」と言ってました。…本当に無事でよかったぜ!うわっはは!
実際、都市にもよりけりだとは思いますが、たった一つ駅を間違えただけで人影が一気に無くなって、町並みも一気に変わったりしますから、本当に気をつけましょう。
<まずはオリエンテーション>
さて!そんなこんなで遂にプログラム開始です!(YAY!) ペンシルべニア大学のESLでは初めの3日間を使ってオリエンテーションが行われます。一週間のうちに何回休むとやばいから気をつけろよとか、キャンパスツアーや周辺の町の観光、皆と仲良くなる為のイベントやら…色々な国、色々なバックグラウンドを持った人が、一つのコミュニティーとして過ごす為に必要な事を色々と説明してくれます。僕のように夏休みだけ取る人もいれば、1年間ここで鍛えるぜ。っていう人もいるので、正確な数は分かりませんが、100人はゆうに越える程度の学生がいます。印象としては中国や台湾、韓国といったアジア圏、カザフスタンやサウジアラビアといった中東圏からの人が多いです。また年齢層も、ビジネスマンや米国の大学院に進学をしようとする大学生らが多く、僕のような大学に受かっていて、その前の準備という形で来る人は少ないです。学校によって年齢層は違うかも分かりませんので、事前にしっかり抑えてから行かれると良いかもしれませんね。
オリエンテーション初日でテストを受けさせられ、その結果を基にレベル別にクラスを分けます。レベルによってカリキュラムは違うのですが、僕の場合はコアクラスという基本のクラスを1つ、選択式のクラスを2つで計3つのクラスを一週間に渡って取る事になります。どの授業もだいたい10人〜15人で行われて、凄く先生との距離は近いです。ちなみに授業は月曜から金曜日の5日間だけなので、土日は友達とフィラデルフィアの町に行ったり、人によってはボストンや、ニューヨーク、ワシントンD.C.に旅行に行く人もいます!あとは、たまに大学がリクリエーションを企画してくれて、市街観光やミュージカルに無料で参加できたり等の美味しい特典もあります。ちなみに7月と言えばJuly。Julyと言えば4th of Julyでして、アメリカの建国記念日なんです!
<独立記念日:テンション高いアメリカの花火>
この4th of Julyは7月を振り返った時に欠かせない話題なので、授業の話に入る前に触れておきますね。
この日は学校の授業も全て休講。街全体が本気のお祭りモードになります。先生の情報によると、フィラデルフィアとワシントンD.C.の4th of Julyはアメリカ国内でも最大規模の物なのだとか。
いったいどんな催し物かというと…まずは午前中にパレードがあります。地元の高校のマーチングバンドからミスアメリカ、リンカーンやキング牧師を模した人、なぜかスターウォーズの面々(リンカーンとのバランスの悪さは大問題です。)らが町の大通りを1時間近くに及ぶパレードでアメリカの誕生日を祝福します。それから、色々な場所でイベントが会った後に、午後はBenjamin Franklin Parkwayという由緒ある大通りにフードトラックがざーーーっと並び、日本の縁日のようになります。一番奥まで進むと、ステージと大きなディスプレイがあり、なななんとNe-Yoを初めとした(他は覚えてないです笑)ホットなアーティストによる生演奏ライブがあります!…あら、いやだ。さぞお高いんでしょっていう奥さんに朗報なのが、なんとこのイベント全てタダなんです!驚きですね!最高の音楽を楽しんだ後には、お楽しみの花火大会です!惜しげも無く打ち上げられる花火を見ながら、日本が恋しくなり、そろそろ日本の花火大会の時期だなーとか考えていたのですが、日本の花火大会との違いを感じたのは、一発上がる毎にそこら中から”HOOOOOO!”とか”Yahoooo!”みたいな声が聞こえてきて、どっちが花火か分からないくらい観客のテンションMAXです。対して日本では、「たーまやー。かーぎやー。」といったかけ声が主だと思うのですが、感覚としては夜空に向かって「叫ぶ」というより、消えて行く花火に話しかけるような感覚が強いかなと(個人的には)思っています。わびさびというやつなんでしょうか。上手く説明できませんが、もっと柔らかな印象があります。これも日米の文化の差なのかなと思いつつしっかりと全力で”HOOOOOO!”と叫ばせて頂きました(ドヤ顔)
<ESLの授業>
さぁ!話を戻しましょう!!
僕が取っているESLではいったい授業ではどんな事をしているのか簡単に説明して行きますね!先ほども言ったように大きく3つの授業に分かれています。
1)Core Class
これが一番の核(Core)になる授業でして、一つの授業の中でReading, Listening, Speaking,Writingの全てを扱います。やっている事は正直言って簡単ですし、少しレベル高めの高校の授業といったところが正直な感想です。2)Writing for Academic Purpose
アメリカの大学ではPaperと呼ばれるアカデミックエッセイを書く機会が沢山あります。エッセイの構成や、そもそもどうやってエッセイを書くときはとっかかればいいのか…なんていう事について教えてくれます。
3)Listening to Lectures
僕の中でのリスニングあるあるなんですが、1行完璧に聞き取れると、それで嬉しくなってしまって、ノートにしっかりとメモメモしている内に話が進んでいる。みたいな事がよくあります。この授業では、英語の講義をどういう風に聞いたら理解できるのか、且つ、効率的にノートを取るにはどうしたら良いか授業してくれます。……え?以上?って感じですよね。
すみません。まだ導入も導入なので、正直詳細について話せないという事情があります。来月に内容はしっかり書きますので、ご理解頂けると助かります。それでもそれでも!!話したい事は山とあるわけです!安心してください!これらの授業をとおして僕なりに感じた事を以下にまとめてみようと思います。
@授業スタイルの違い
生徒は世界中から集まった多国籍集団ですが、学校の授業自体はアメリカ式です。つまり意見をかなり求められます。逆に、声を出さないでいると。あれ?いたの?みたいな感じで扱われても文句は言えないです。
全ての授業において言えますが、やっている事のレベルは決して高くないと思います。内容もさらーーっと理解できてしまうものばかりです。ですが、授業中に質問をされて、えっせえっせと頭の中で整理をして英語が出来上がった時には違う生徒にドヤ顔で答えられてます。これがすんごく悔しいんです!今、全く同じ事言おうとしてたのに!
ですが、理解するだけではなく発信できるようになる事が大事で、そこまでやっての予習です。今まで、英語でinputしたものを日本語でoutputする事が多かった僕にとっては、これも訓練だと思ってガンガン発言してます。
A先生によりけり
「ライティングの授業どう??」みたいな質問を友達にしたり、されたりしますが、正直な所、授業から学ぶというよりも、教師から学ぶといった側面が大きいです。例えば、ライティングの先生はとても熱心で、毎回教材に加えて、オリジナルのパワポまで用意してきて、これでもか!っていうくらい丁寧に分かりやすく教えてくださいます。課題毎のフィードバックもものすごく細かくて助かってます。それに対して、リスニングの先生はあまりの適当さに呆れる程で、ぺらぺら喋るだけで1時間なんていうのがざらでした(笑)あまりにもひどく、我慢の限界でしたので、抗議をしにいったら、今度はこっちが大変なくらいしっかりやり始めたので、一安心ではありますが…。
これは別に僕のESLに限らず、日本、米国、もしかしたら全ての授業に関して言えるかもしれないですね。やはり学ぶ事よりも教わる事の方が沢山あるので、何を学ぶかではなく、どう教わるかが大事であって、やはりそこは教員の腕にかかっているのかなと思う限りです。
Bもっと言うと自分によりけり
何をするにも自分の気持ち次第だと思います。毎回授業に遅刻してきて、宿題の話になるとトイレに逃げ込んでいくような人もいますし、やっぱり環境に慣れずに黙りこくってしまう学生もいます。他の学校でESLを取ってる学生と話をしてもやはりこの点(結局自分次第)については凄く共感します。いくらアメリカにいても、部屋にこもっていれば英語を使わないで1日は過ぎていきますし、別に死んでしまうわけではないですから、喋らないで授業に参加する事も可能です。
「留学は魔法の呪文じゃない。」
留学をしていた先輩がおっしゃっていたのですが…留学をしたら英語が喋れるようになる。とか、留学をしたら頭が良くなって…等々。僕自身、高校生の時そうだったのですが留学をしたらを文頭に持ってきて、なんとかできるようになりますっていうのは少し夢物語な気もします。留学でも何でも、自分の道は環境や他の人が決める事じゃないですよね。何をやるにしても、自分の意志や行動が大事なんだなと思う限りです。
という事で、初回からざーーっと書いてしまいましたが、まだまだ留学生活も始まったばかりです!というかまだ二週間くらいしか経ってないのに、こんなにも学ぶ事が多くてびっくりしている限りです!これから4年間にかけて、留学を志す人や実際にしている人にとって有益な情報を提供していくのを目的に、ブログを更新して行きますのでどうぞ応援よろしくお願いします!
ではでは、また来月!
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